〜虚言病女〜
この女のコ「A子」と出会ったのは昔バイトしていたところでした。
年齢は自分より6コくらい下で、
自分はその当時22〜23歳くらい、
そのコは16〜17歳くらいの高校生でした。
見た感じは背が小さくて目のクリっとしたコでした。
そのバイトは飲食店だったんですが、
自分はそこのバイトを辞めたあとでも、
まだ友達が働いていたのでなんとなくそこに行ってました。
A子との関係はそこでウェイトレスをしていたそのコに、
当時その飲食店で何かのサービスで貰ったビーチボールを、
何気なくA子にあげたところから始まりました。
まだA子は高校生ということもあって考え方とかもガキだったし、
かなり常識も無かったので、
突然夜中に電話がかかってきて、
「海いこー!」
とかって言われてました。
まぁ自分もまだ若いつもりだったので、
仕方なく夜中に海に連れていったり、
一緒に映画とか見に行ったりしてました。
A子はどことなく他の高校生とは違っていて、
なんか冷め切った思考を持っていました。
「上辺づきあいの多い女友達とかウザイ!」
とか、
「何で高校行ってるんだろう・・・」
などと、よく愚痴をこぼしていました。
それでも自分はイイ人ぶって、
「高校くらいは卒業しとけって!」とか、
「そういう友達から本当の親友ってのが見つかるんじゃないのか?」
など、親が子をさとす様な事を言ってました。
だけどA子は結局高校を中退してしまいました。
俺が「何で辞めた?」って聞くと、
「つまらないし、友達とかメンドクサイから。」
という答えが返ってきました。
きっとこのコは人との付き合いがヘタクソなんだな〜って思いましたが、
他に自分のやりたいことがあるから専門学校みたいなとこ通ってるって言ってたので、
「じゃあこれからそっちを頑張れよ!」と言って励ましてました。
A子は色々と自分に相談というか愚痴をこぼしてくるので、
いろんなことを聞いてました。
A子の両親はこのコが小さい頃に離婚をしたので、
母親の元で育てられた。
その事があってから父親が憎いという対象でしかない。
とか、
A子の姉ちゃんが結婚していて今は幸せな家庭を築いているから、
自分も早く結婚して幸せになりたい。
とか、
貯金が100万以上あるから早く18歳になって、
免許とって車買って色んなトコに行きたい。
とか、様々な話を聞いていました。
またある日、
「家を出て一人暮らししようと思うんだけど、一緒に住まない?」
って話を持ちかけられたこともありました。
自分は話半分で聞きながら耳を傾けてましたが、
なにやら1枚の紙に部屋の見取り図を書き始めて、
「ココにソファーを置いて、テレビはこの辺!」
って感じでもうすっかり一人暮らしをする気で話を進めてました。
自分は、「へぇ〜。 ふ〜ん。」
って感じで相槌だけ打って聞いてました。
それでA子が言うには、
自分が一緒に住んでも家賃は払わなくていい、
家事はほとんど自分がやる、
俺には掃除係だけやってもらう、
などと言ってました。
結局その話はその場限りで終わったのか、
その後はその話は出なくなりました。(ナンダったんだろ・・・?)
それからしばらくは自分が学校とかで忙しくなってきていたので、
しばらく会わなくなりました。
たまに電話したりメールする程度で、
前みたく遊びに行ったりはしなくなりました。
その後半年くらい月日が経った頃、
女友達Yちゃんから僕の携帯にメールが入りました。
『久しぶり〜!Kさん(共通の男友達、既婚者)って子供産まれたんだってね!!』
えぇ!?僕とKさんはかなり親友なのにそんな話は一片たりとも聞いたことが無い!
ってことで、即座にそのKさんに電話してみました。
「子供産まれたの!?つーか奥さんいつ妊娠してたの!?」
と聞くと、
Kさん「はぁ?産まれてもいないし妊娠もしてませんがな。
つーか、そんな予定すらございませんが?」
と言われました。
ん〜??どういうことだ?Yちゃんが名前を間違えるわけも無いし・・・。
訳がわからなかったので、とりあえずYちゃんには
「産まれてもいないし妊娠もしてないってよー!」とメールを入れておいて
その話は流していました。
するとそれから数週間後、
またYちゃんからメールが入り、
「T君(俺)結婚したんだね!!オメデト〜!!式には呼んでね〜♪」
などという意味不明なメールが入りました。
その頃自分は結婚はおろか、彼女さえ居なかったので本当に意味わかりませんでした。
Yちゃんから立て続けに不可解なメールが入ったので気になった僕は、
直接Yちゃんに電話をしました。
自分「もしもし〜、あのメールなんだ??」
Yちゃん「結婚したんでしょ?良かったね!!」
自分「いやいや、結婚どころか現在彼女もいませんよ?」
Yちゃん「えっ!?ウッソー??結婚したって聞いたよー!」
自分「へ?誰に??」
Yちゃん「A子の姉ちゃんに!」
自分「はぁ??どういうこと??」
Yちゃん「A子の姉ちゃんって私の友達だったんだよー!」
・・・? ・・・??
要するにYちゃんの話によると、
A子とYちゃんと俺の共通点といえば同じバイトで、
YちゃんはA子の姉ちゃんにそのバイトをしてたときの話をしたところ、
A子の姉ちゃんは、「私の妹もそこでバイトしてたよ!」って話になり、
そこでA子がいつも姉ちゃんに俺の名前を出してたらしく、
Yちゃんは俺と友達だったということもあり意気投合して話をしていたらしく、
A子の姉ちゃんは妹A子に聞いた俺に関わる話をYちゃんに話していたという訳でした。
Yちゃんの不可解なメールは、
Yちゃんの友達のA子の姉ちゃんが、
A子に聞いたところから始まっていたことが判明しました。
そのYちゃんとA子の姉ちゃんが繋がってたおかげで、
多くの謎が次々に解明されていきました。
・まず俺の結婚話→A子の作り話
・Kさんの子供話→A子の作り話
・A子の姉ちゃんの結婚→A子の作り話
・A子の専門学校→毎日家でダラダラ(プー)
・A子の貯金100万→A子の妄想
はぁ・・・、何か書いてて思い出してきて可愛そうになってキタヨ。
なんか痛いな。
このことがあってからA子との連絡は一切シャットアウトした自分もイタイ・・・。
今頃何してんだろーなー。
元気でいてくれればいいなーと思います。
余談:
きっと両親の離婚は本当なんだろうと思いたい。(姉ちゃんに確認するの忘れた)
そのショックからこのような虚言癖が付いちゃったんだろうか・・・。
せめて今は生きる楽しみを見つけていて欲しいと願う。